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浅野家由緒書(写)  NO_13
浅野次五右衛門書(延宝二(1674)年八月)
楷書化

私儀正保元甲申年当村にて生、幼名
甚太郎と申、三才にて父母に別れ祖父
儀右衛門の養育にて成長仕候処、明暦二年
十三才の時祖父病死仕、然る処年若
に付大肝煎大竹長右衛門取持にて長呂村
より竹石牛之助と申者、私叔母聟に仕後見
為致候処、入家間も無長右衛門と申合、
私始譜代の者ををし付候仕方いたし、
長右衛門儀も前々祖父儀右衛門と不
和にて在命中より私家筋取潰度存念
に相聞候間、譜代の者
大殿様へ御訴詔仕牛之助追ひ出、
私儀家督被 仰付元服いたし次五右衛門と
改名仕候処、牛之助、長右衛門共遺恨を含、
私並村方へ段々邪成儀申懸騒動
迷惑為致、私義は未タ若輩の砌にて
祖父通の御奉公も相成兼不安堵に付、
猶又同年九月中弐拾五人の百姓より
御訴詔申上候処、願の通当村肝煎
に被 仰付相勤罷在畢竟
御代々様  御厚恩を以是迄
相続仕難有奉存候以上
延宝二年寅八月
        釈迦塚新田 浅野次五右衛門
 溝口内匠様
        釈迦塚新田
延宝二年寅八月 浅野次五右衛門
溝口内直様
意味

一、私は正保元(1644)年、当村(釈迦塚)に生まれ、幼名を甚太郎と申し、三才で父母に別れ、祖父の儀右衛門に養育されて成長しましたが、明暦二(1656)年十三才の時、祖父も病死し、その際私が年が若いということで、大肝入の大竹長右衛門の紹介で長呂村から竹石牛之助というものが私の叔母の婿になって私の後見ということで入家してまもなく長右衛門と申し合わせて私はじめ譜代の者を無視しました。長右衛門は前々から祖父の儀長右衛門とは仲が良くなく存命中より私の家の取り潰しを画策していたと聞いておりました。譜代の者が、大殿様へ訴訟を申上げ、牛之助を追い出し、私が家督を継ぐよう仰られ、元服し次五右衛門と改名したところ、牛之助、長右衛門は遺恨をもって、私ならびに村方にいろいろな嫌がらせや騒動を起こしご迷惑をおかけいたしました。私はまだ若輩ものですので、祖父のような御奉公もうまくいかないく不安なので、なおまた同年九月中に二十五人の百姓より訴訟を申し上げましたところ、願いが適って、当村の肝煎にしていただき、勤めに励みまして、結局代々のお殿様のご厚恩をにより、これまで相続してまいりましたことはまことに有難いことと存知あげておりますこと、以上 読み方

わたくしぎ正保三きのえさるのとしとうそんにてうまれ、幼名甚太郎ともうし、三才にてふぼにわかれ、そふ儀右衛門のよういくにてせいちょうつかまつりそうろうところ、明暦二年十三才のときそふびょうしつかまつり、しかるところとしわかにつきおおきもいり大竹長右衛門とりもちにて長呂村より竹石牛之助ともうすもの、わたしおばむこにつかまつりこうけんいたさせそうろうところ、にゅうけまもなく長右衛門ともうしあわせ、わたしはじめふだいのものををしつけそうろうしかたいたし、長右衛門ぎもまえまえそふ儀右衛門とふわにてざいめいちゅうよりわたしいえすじとりつぶしたきぞんねんにあいききそうろうあいだ、ふだいのもの  おおとのさまへおそしょうつかまつり、牛之助おいだし、わたしぎかとく おおせつけられ、げんぷくいたし次五右衛門とかいめいつかまつりそうろうところ、牛之助、長右衛門ともいこんをふくみ、わたしならびにむらかたへだんだんよこしまなるぎをもうしかけそうどうめいわくいたすため、わたしぎはいまだじゃくはいのみぎりにて、そふどおりのごほうこうもあいなりかねふあんどにつき、なおまたどうねん九月ちゅう弐拾五にんのひゃくしょうよりおそしょうもうしあげそうろうところ、ねがいのとおりとうそんきもいり おおせつけられあいつとめまかりあり、ひっきょう、 おんだいだいさま ごこうおんをもってこれまでそうぞくつかまつり、ありがたくぞんじたてまつりそうろう、いじょう 延宝二年寅八月           釈迦塚新田
                     浅野儀右衛門
溝口内匠様
解説(淡路久雄)
変体かな連(れ) ヲ(を)
難読文字難有=有難はよくある使い方
歴史 この頃の新発田藩は村役人の呼称を大肝煎、肝煎とよんでいたが、この後まもなく庄屋、名主と呼び方を変える  注目すべきは次五右衛門代まで浅野と苗字を書いていること、次代あたりから苗字を書くことがなくなる。私文書は苗字を書くこともあったが、九代儀右衛門十代正八郎は神文名主として苗字帯刀を許された

追加解説(管理人)
畢竟 (梵atyantaの訳語。「畢」も「竟」も終わる意)仏語。究極、至極、最終などの意。つまるところ。ついには。つまり。結局。
肝煎 町や村の長。名主(なぬし)、庄屋などをいう。あれこれ世話をすること。斡旋(あっせん)すること。また、その人。とりもち。世話役。 2 江戸幕府職制の一つ。同職の中で、頭だって職務を取り扱う者。